お待たせしました。
30日はひじり君と神戸ファッション美術館へ。
六甲アイランドは3年前くらい前にチームつかもとの交流会で行って以来2回目だった。
会場は400人入れるホールだったが割と人が多かった。
それもそのはず、塚本先生ったら講演のレポートを授業で任意提出にしてたwww学生が多いわけだ。
ちなみに塚本先生はここの存在知ってるからこのエントリコピペしたらばれるよ。
最初は塚本先生による「ウェアラブルとユビキタスの世界」。
ウェアラブルは人の能力をコンピュータで強化するもの。普及の鍵はやっぱり産業用からという見方が強いみたい。ただセカイカメラなんかもあるからまさかの民生用という可能性も。
いつもの予言。
よく見ると今まで渋谷だったのが梅田になってる。
3年後。
民生だったらゲームの可能性は高いよなぁ。スポーツや遊びの演出はありそうだ。あと高齢者の出会い系よりはウェアラブルラブプラスみたいなゲームが出てきてすごいことになるような気がする(ぉ
5年前の予言は今どうなってるのか。
一番上はいつものこととして、なかなか当たらないもんだなぁ。
- ポジティブを集め、ネガティブを排除せよ。
- 好きなことをやれ、嫌なことはするな。
- よく考えて人と違うことをやれ。人と同じことはやるな。
- 失敗を楽しむ。
- よく考えて続けられるようなルールを。
- 人の評価を利用する。
- 夢は絵として描け。
- 二歩先を考える。
短絡的なポジティブや否定的な考えを無くして常に二歩先を考えよ、という格言。企業の講演でも好評らしい。
お次は寺田先生。「ウェアラブルとユビキタスの研究」
ウェアラブルとユビキタスは、コンピュータが小型高性能化することによってコンピュータとのつきあい方が変わること。だからあらゆる物を研究する必要がある。コミュニケーション、社会制度、パフォーマンス支援、インタフェース、センシング…。ハードウェアやアプリケーションはもちろん、OSやミドルウェアも研究する必要がある。医療用のものなんかはフリーズしてしまったら話にならない。システムの冗長化はサイズの制約などがあるのでソフトウェアがハングアップしてもセンサデバイスからの生データの提供をやめないようなOSが必要。
ここで次の発表の準備の時間稼ぎに急遽塚本先生と寺田先生のコント(?)
二人は結構違う部分が多い。寺田先生はウェアラブルファッションには否定的だとか。ただ海外の研究者を見てるとかっこ悪いとは思うとか。Thad Starner涙目www でもそこでLEDってのはどうなの?とのこと。
「再現可能か!ルミナリエステージショー2008」
こんな感じ。
お次は増井さんによる「ウェアラブルとユビキタスのインタフェース」。
いつの間に慶応の人になってだんだろう…。
増井さんは実用性を最重要視してるらしい。面白いサービスを思いついたら即ドメイン取って作る。のでドメ死しそうらしい(ぉ
インストール不要、ユーザ登録とパスワード無しのWebサービスで敷居を下げる。3memoとか。ただサービスによっては本人認証は必要だったりするのでなぞなぞ認証なんかが使えるんだとか。Webサービスは自慢力が大事!
WebサービスはUbiCompと近い将来融合するかも。でも特殊なセンサとかたくさんのディスプレイとか特殊な計算機環境をを利用する富豪的UbiCompではなく、これからはPoor Man's UbiComp(PMUC)。ネットやLANなどのインフラと検索技術を使って、いつどこで何をしたいかを1つの操作でできるようにするのが良い。電灯のスイッチが部屋の入り口にあるとか、ウインドウを開けるときはアイコンをクリック、閉じる時は×をクリックという非対称な操作とかじゃなくて、もっと直感的なこんなんとか。
送りたいCDを入れると→届いた!
つまりユビキタス=ユニバーサルデザインで、目的と操作が一致してることが大事。
PMUCにおける実世界指向プログラミング。電話が鳴るとテレビの音が小さくなる、日が暮れると電灯が付く、など。さらに全世界プログラミング。あちこちのセンサやアクチュエータを利用して誰でも簡単にプログラムが書ける!全世界ピタゴラマシンなんかも…。
さまざまなWebサービスが存在し、ハードとソフトの敷居が消滅する。今すぐユビキタスにWebを使おう!
そしてパネル。「インタフェースの未来」
増井 俊之 vs. 角 康之(京都大学准教授)、音川 英之(シャープ)急遽来れなくなって浦野直樹 氏という対決図式。
増井:DSiLLとか、超簡単なI/Fがいい。ついったとかバカみたい。
角:カメラというメタファは良い。レンズなんかもシャッタ押したら自分のカメラじゃなくて相手が持ってるカメラで自分を写せてもいいんじゃないか。
浦野:視線、電子ブック、体を使う物が流行る。セカイカメラも流行る。そのうち標識や信号がバーチャルなものに置き換わるのではないか。
老人向けI/Fというとでかい以外にどういうのがいいか?頭を使わないのがいい。結構くだらないことでも改良につながる。50音のキーボード作っただけでローマ字打ちできない老人に受けたことも。デバイスに限らず、電子ブックなんかは視線が端に移ったのを認識してページ遷移するとか。
ウェアラブルではどうか?
増井:外ではメール、Google、乗り換え、ついったくらいしか使わない。やりたいことが限られているときに簡単操作で使う。
浦野:今あるコンピュータの延長で考えるのはナンセンス、服にテクスチャとか、メガネに付加機能が付くとか、昔からあるものに収束していって機能分散するのでは。
角:機能ではダメ、ファッションとして流行るのでは。ウェアラブル環境では入力はあまり必要なさそう。入力に関しては10年後も変わらないのでは。
単純にユニバーサルってのはどうなの?ユビキタスはユニバーサルに、ウェアラブルはパーソナルに。
増井:自動運転者は流行らない。予測を外すと腹が立つから。キーボードは標準になってしまってるから50年後も使ってるだろう。標準化されていないところの研究を!
角:PCはメディア。五感をちゃんと使えるものに。スパムをはじいたり、リマインダのような、パートナーとしてのエージェントならあり。
浦野:機械のUIより人間の適応力の方が進んでいる。だからといって適当なものを作っててもダメ。主体的に使うマスタI/Fと与えられるスレーブI/F。
対決のはずだったんだが全然対決になってなかった。
第一部終わり。
第二部は石黒先生の「ウェアラブルとユビキタスとアンドロイド」。
タイトルがかなりこじつけのような…。
初めて生で見た。
これはたぶんジェミノイドではないはず…(ぉ
自分が世界を作る、批評家ではなくクリエイティブな人間。
人間らしい機械を作る。人間を知りたい。トップダウンはよくない。作ってみて評価することで人間を理解する。
ヒューマノイドは人間らしいロボット、アンドロイドは人間に酷似した見かけと動きを持つロボット、ジェミノイドは実在人間の遠隔操作型アンドロイド。コンピュータは人間と同じにはできないので、ユビキタスに分散して知覚し、表現をロボットの体で行う。センサネットワークがロボットに人間らしい知覚をもたらす。ジェミノイドを操作している人間は魂がロボットを着ているような状態になり、自分の体と錯覚して自分もジェミノイドの動きに合わせてしまう。訪問者がジェミノイドに触ると自分も触られたような気になる。
ARS Electronica 2009でジェミノイドを展示した。欧州でも日本でも人々の反応は同じ。盲人でも同じ。最初はジェミノイドだけ展示していたが、あとから本人が行ったら「夜にジェミノイドが町を歩いていた」という噂が立った。ほかの研究者に「最近ジェミノイドに似てきましたね」と言われた。主体性はどちらにあるのか?
存在感が重要。ロボットは存在感通信メディア。ご飯を一緒に食べて楽しいメディアはロボットだけ。人とロボットの本質的な差はどこにあるのか…?
哲学的ゾンビが頭をよぎった。
パネル「サイボーグ vs アンドロイド」。
石黒 浩 vs.林 譲治(SF作家)、羅 志偉(神戸大学教授)
石黒:自分の中身が認識できているか。本質的に差があるかは疑問。
林:自我の境界があるか。境界もあいまいになるかも?ジェミノイドを操作している人間は物質的にはロボットとは違うが…?
羅:サイボーグは人体にどう取り込むか、アンドロイドはどのような相互作用があるか。
そもそも設問がよくない。人間とアンドロイド/サイボーグという図式ではないはず。
こっちのパネルでも全然対決になってなくて塚本研ピンチ(ぉ
どっちが先に展開するか?
どこからサイボーグなのか?技術的にはサイボーグが先。アンドロイドは精神とか哲学的な問題がある。
石黒:一般的な幸せと技術は別。技術は生活を豊かにする。
林:技術としてできれば持たざる人が出てくる。無ければ幸せにはなれない。
羅:進化過程での影響は分からない。
石黒:一緒でよい。
林:アンドロイドは権利は与えられるかも。
羅:研究段階で棲み分ける必要はない。
時間が少なかったのであまり深いところまで議論する時間は無かったが、自我とか哲学的な疑問にまで踏み込んだ面白い討論だった。そしてやっぱり三人とも同じ方向。
休憩を挟んでパフォーマンス。
光るピアノ。
顔が暗くてもこの写真を見れば誰が弾いてるか分かる人は一発で分かるネタだ。
そして寺田先生たちのギター演奏。
寺田先生の歌は初めて聞いた。かっこいー。
そういえばちょっと前にモデルやってる友達が神戸コレクションで塚本先生見つけたので思わず話しかけた!と言ってたので聞いてみたのだが全然覚えてなかった。
さすが弱点なだけあるな…。
そして第三部はベイシェラトンホテルで懇親会。授業で来てた学生は一人も残ってなかった。塚本研イベントでは懇親会がメインといっても過言ではないのに…。
久しぶりに会った某社の人とか某社長とかに色んな話を聞いて非常にモチベーションが上がった。会社の名刺がまだできてなかったので名刺交換できなかったのが残念。引っ越してから作ってなかった個人用名刺をちゃんと作って行けばよかった…。
そういえば塚本研の学生もかたまっててあんまり企業関係者のいるエリアには入ってこなかったなぁ。もっとパイプを広げればいいのに。
まあ研究やら何やらはどんどん進化しているのでこれからもどんどん活躍してくれるだろう。期待。