内定取消 読んだよ

内定取消!  終わりがない就職活動日記
内定取り消しにあった女子大生のblog改め、社会人一年生の日常をチラッと読んで買ってみた本。


内定取消、ではなく内定辞退の強要体験記。
自己PRもこれまでの経歴も否定され、「努力しても無駄」「君はクズ中のクズだ」と罵倒され、精神的に追い詰められていく筆者。
精力的に活動し、ビジネスコンテストでも入賞するような経歴を持つ筆者をここまで追い詰めるほどの卑劣な手口。この告発以前に泣き寝入りした人や、他社で似たような手口で内定辞退を迫られた人がどれだけいたんだろう。


そんな企業は名前晒して潰れればいいのに、と思うのだが、ちょっと調べてみた限り企業名は公表されていない。
なぜ企業名を明らかにしないのかで企業名を伏せている理由が書かれているが、公表して仮にその会社が潰れるのと、公表しないままこのような強要が続いていく可能性があるのと、どっちが被害者が少なくなるんだろうか。


こういうことが起こるのは担当者やブラック企業の経営者だけじゃなくて被雇用者や消費者の問題もあるんだと思う。それでもやらなきゃダメだから、根性論、精神論、あって当たり前、価値ある物に適切な対価を支払わない、目先の情報に惑わされて一貫性のない価値観。
社会がそういう企業や手口の存在を許してしまう土壌があるからいくら個別の事例を取り上げて問題にしても、社畜やら労働厨やら言われる人たちが存在する状況が生まれてしまう。
本書のような告発で「こういうことがある」ということを知って、少しでも理不尽な思いをする人が減ると良いのだが。