新婚旅行日記(26)異変

翌朝、いよいよウユニへ出発。片道550km以上、約10時間車で移動する。なんかミラーに向いてる方角が表示されていた。日本でもこういうオプションがあるんだろうか?


昨日来た道をまた空港方面へ走る。くそ不味い抗生剤を頑張って飲んでいたおかげか、お腹の調子は全く問題なくなっていたが、標高が高いので高山病には気をつけて息をしっかりしながら進む。

しかし、しばらくすると体に違和感が。息が少し吸いにくい感じがする。さすがに3500m以上、息をしっかりしているつもりでもなかなか厳しい。少し車を停めてもらい、深呼吸。

改めて出発するが、呼吸はどんどんしづらくなってくる。体全体が押さえつけられてるようで息がうまく吸えず、体表の痺れが胸のあたりから全身に広がっていく。手先が冷たくなり、顔が痙攣して呂律が回らなくなり、さすがにちょっとヤバイ気がしてきたので急遽空港に寄って診てもらうことに。
しかし空港前の道路は相変わらずの大渋滞。そうこうしているうちに唇は紫色になり、体も丸まっていき胎児のポーズで固まって動けなくなってしまった。

例のガイドはというと…俺に掌を向けてまじないを始めた。

運良く?近くに警察がいたのか、どこかから警備員がやってきたのか、ギュウギュウながらも交通整理だか誘導をやってくれただかで、普通なのか早かったのかもよく分からないが空港へ到着。


俺はというといよいよ全身の筋肉が緊張し、全く動けない。頭だけは問題なく回っているので、閉じていく口を嫁に無理矢理開けてもらって気道確保しつつ、車椅子で医務室に運ばれた。

ドクターではなくナースらしき人しかいなかったが、パルスオキシメータを着けられ、口に酸素マスク…じゃなくてビニール袋…あれ?


過呼吸でした!(てへぺろ☆)


マチュピチュでは腹痛とのダブルパンチでダウンしたが、よく考えたら俺は心肺機能はかなり自信がある方だった。普通の山歩きでもすぐに息切れする嫁がピンピンしてるし。しかし調べてみると過呼吸と酸欠の初期症状は似ているらしい。さすがに経験がないと勘違いするなあ。
しばらくビニール袋をあてがわれておとなしくしているとかなり楽になり、手足も動くようになった。すぐに歩けはしないが、過呼吸なら死ぬこともないし、対処はビニール袋があればできるので内心は一安心。車椅子で車までもどり、お守りのビニール袋をもらって再び出発できることになった。