マテパ完結(ネタバレあり)

雑コラですんません

ガンガン連載中からハガレンよりも好きだったマテパ。3年ほど前に連載再開してることを知り、コミックス3巻くらいからリアルタイムで買っていたがすっかりブログに書いていなかった。

本誌で神無の予告を見てから10年以上、ゼロクロイツが本誌からオンラインに移行したあたりで半ば4章を読める日が来るのを諦めていた。密かに楽しみにしていた考察ブログも更新が途絶えて何年も経つ。
それがモーニング・ツーで連載再開していたことを知ったときの喜びと言ったらもう!無印連載時のファンが講談社に就職してプッシュしたと言われたら信じてしまいそうな年月だ。
上には上がいるということを思うと最終回まで読めるというのはなんと幸せなことかと思う。

ただ、バンブーブレードが流行らなければもっと早くに最終回を読めたのか、それとも打ち切りになっていたのかは知る由もないが、それでもハガレンよりマテパが好きだった身からすればバンブーブレードビーあたりは素直に楽しめない(時期的な意味で)自分がいる。


前置きが長くなったが神無の連載再開後に無印とゼロクロイツKindle版を大人買いしていたので、改めて全巻読んでみた。
終わり方としてはダイの大冒険ドラゴンボールエヴァにも通じる雰囲気でよかったんではなかろうか。
一方で、思い出補正に年食ったせいも加わってか、無印はほぼ文句なしで面白かったのに対して神無は割とモヤモヤする部分が多かった。


一節自体は新規読者への説明が必要なのは分かるのでまあいい(むしろこれでも新規読者ついてこれるのかと心配になるくらい)として、神獣伍式隊と十二神獣宿木の唐突感がすごい。
無印では20巻*1かけても三十指全部は出てこないし、それぞれの三十指も超個性的なので、初登場時にある程度まとまって出てきても混乱することはなかった。
それなのに神無ではただでさえジャッカとピスカという新主人公格に加えて残りの三十指も出てくるのに、さらに神獣伍式隊と十二神獣宿木という新たなナンバリング集団がほぼ一気に登場する。キャラもそれほど立ってないので名前を覚えるのもツラい。その後のストーリーでの活躍も頭数の割にいまいちパッとしない。
持たざる三十指との対比は良かったが、登場がバーゲンセール過ぎるのと、後述の戦闘力インフレが仇になっている気がする。
無駄にデザインにも凝っているせいか、十二神獣宿木の作画にコピー使いまわしが多いのも気になる。最終巻の舞響大天もクソコラみたいに浮いた画になっているのが残念だった。


戦闘力インフレの激しさもなかなかだ。それも神獣パイルがバランス破壊要素な気がする。
ただし一気読みするとジール・ボーイ復帰時のかませっぷりがそれを補って余りあるので結果オーライという気にはなる。
だとすれば最終決戦で三大神器とやりあえる戦闘力なのはジール・ボーイとジャンクーアだけというのはまあ納得できなくもないが、そうすると神獣に勝てないミカゼとリュシカのレベル感がわからん。リキネルとかもさあ…
そもそもMPティトォ(覚醒)が月花光刺態の夜馬に辛勝くらいの実力だったと思うんだけど、それと三大神器とのレベル差感もわからん。全力出せないブライクが光刺態の夜馬にボコられてたからそんなにかけ離れてはいないのか?
バトルシーンも戦闘力インフレが目立ちすぎて単調に感じた。特にクリスタベースでジール・ボーイが来る前の宿木戦、ジール・ボーイvsジャンクーア、プリセラvsブライクブロイドはリアルタイムで読んでたときの体感話数と一気読みしたときの話数の少なさのギャップに驚いた。鬼滅の無限城くらい長く感じたのに。同じ力のぶつかりあいでもミカゼvsチョーは良かっただけに。
ブライクブロイド撃破シーンも昔の劇場版ドラゴンボールを見ているような気分だった。

逆に舞響大天戦は悪くない決着だったように思う。空港で襲われたときの言動と一致しない気がするのはちょっと引っかかるが、壊れキャラだしそれくらいありかなと思える範疇だ。

他に熱かったバトルシーンといえば短いながらもジルvsエルは別格だ。飛燕を右腕の魂込めて跳ね返す幕開けといい、ジール・ボーイがプリセラにぶん殴られたのと同じ構図でエルをぶん殴るシーンといい最高すぎる。そんでクリスタベースに再登場したときの「俺の拳に砕けぬものはない」というセリフ。非の打ち所がない。

廻天の術を受けたあとのバレットの活躍が少なすぎるのは一節で散々活躍したからいいだろということだろうか、それにしてもちょっと物足りない感じはした。

その他の伏線ではコルクマリーとナトラレーゼは放置しちゃっていいの?感が強すぎる。無惨様を倒したら消える鬼とちゃうねんぞ。
魔王の骨は言うほどキーアイテムだったか?宿木?

語りきれなかった世界観については、別にラセン国や裏大地の話まで何もかも描いてほしいというわけではないが、ジャンクーアが裏大地に行くあたりはさすがにご都合主義的な印象。おまけ冊子を読んで中途半端にサイドストーリーを知ってしまったせいだろうか?
同じご都合主義でもダークアイ・Qはメモリア魔法陣からの実績があるからラストの活躍も目を瞑れるけど…
そして完全に勘違いしてたけど今回読み返すまでヤズマ=ナトラレーゼだと思ってた。よく見たら剣仙十二客になった後コルクマリーに殺されたと書いてあった。ニニが1コマで説明してたので完全に見落としていた。


あと神無ではないけど、無印Kindle版の描き下ろしページ追加も微妙だ。おまけページなら嬉しいし、デフォルメキャラの扉追加も俺はそんなに好みでは無いが良い。ただ本編にとくに意味のないページが追加されてるのはテンポが悪くなるだけでいただけない。特にコルクマリーがグリ・ムリ・アを斬る前後のページで見開き含めて4ページも増えていてひどい。


現時点でジオメトリックヴァーミリオンは蛇足感しか感じないが果たして。
それよりオリジナル構想の流れでアニメ化してほしい…と思うものの、世間的にはマイナーな上、あの伏線ありまくりだと一般受けはしないだろうなあ…。

第3章以降の構成について
土塚の当初の予定では第3章そのものは執筆せず、章を1つ飛ばした第4章の中で「第3章に相当する時期に何が起きたか」を間接的に明かした後、「4章の時代の戦い」、そしてはるか昔の伝説として伝えられている「女神と大魔王の戦い」を描いて完結する構想であった。しかし「女神と大魔王の戦い」を『ゼロクロイツ』という独立した作品として連載することとなったため、その前にこれまでの主人公たちの戦いに一区切りをつけるため、第3章の内、主人公たちの戦いの決着に関する部分を『彩光少年』として執筆したという。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB

とあるので、当初の構想での順番は「無印(採光少年部分無し)→神無2節~(採光少年部分を間接的に明しつつ)~最終→ゼロクロイツ(の核心部?)」という流れだったということか。
仮にアニメ化したとしてもこの流れはやはり一般受けを考えるときつそうだ。


ふと思い出してニコニコのマテパMADを見に行ったらまだあって感動した。
昔見た時は違和感あったキャラも今聞くとだいぶしっくりくる。ただやっぱりプリセラがオバサン声すぎる…
www.nicovideo.jp
やっぱアニメ化はよ。
www.nicovideo.jp


そんなわけで思い入れの強すぎる作品ゆえ思いつくままに書き散らかしてみたがもっと評価されて良いマンガです。
少なくとも絵柄で食わず嫌いするのはもったいなすぎるので読むべし!

*1:電子書籍だと22巻