「お客様」がやかましい 読んだよ

「お客様」がやかましい (ちくまプリマー新書)

客の要望に応えようとしていったはずが客の不満は増えるばかり。医療や教育まで「お客様」が浸透している。
マニュアル化されたサービス業で、受けてるサービスのレベルが高くても他の客と違うことがあると相対的に不満を感じる。
サービスの質は上がってきているはずなのに、なぜモンスター○○が増えるのか?ということが、サービス提供側のありかたという視点からも書かれていてなかなか興味深い。
マニュアル化によって頭を使わなさすぎる接客ができるようになってしまって、理不尽なクレームに対しても事なかれ主義な対応をしてしまうというのは問題だな。

p.28
実際に学校現場で働く先生たちからは、生徒を「お客様」扱いしなければならなくなっている、という話を聞いたことがあります。(中略)
じっさいに、学生を「お客様」と呼ぶ大学があるからです。(中略)この大学の一日は、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」のあいさつを唱和することから始まります(中略)
学校をわが社、教職員を社員、学生をお客様と呼ぶ。

これには驚いた。調べてみたら修文大学(旧一宮女子短期大学)らしい。
http://www.fmics.org/monthly/2003-10.htm


学生をお客様扱いすることの是非はともかく、教育機関でもクレームに対して事なかれ主義的な思考停止で対応していたらそもそも教育にならないんではないか。もちろん教師の横暴などは論外だが、教育には明確なビジョンがあってしかるべきだと思う。少子化で学生が集まらないとといっても社会のニーズ≡客のニーズと捉えてしまってはいけない。