収穫

コーシーの積分公式
f(z) = \frac{1}{2\pi i}\int_C \frac{f(\zeta)}{\zeta - z}d\zeta
の使い方がやっとわかった。以下備忘録。

  1. 問題の積分の中身を部分分数分解して\frac{f(z)}{z - \alpha}の和の形にする
  2. 特異点z = \alphaが単一閉曲線の外部にある項はゼロに
  3. 特異点がCの内部にあれば積分公式の分子に\alphaを代入した値が積分の値になる
  4. それらを足してから2 \pi iを乗じたものが求める答えになる
  5. 与えられた積分問題を右辺の積分の形にして左辺を答えに使えるようにするらしい

例1
f(z) = \frac{z^2}{1 + z + z^2 + z^3} = \frac{z^2}{(z+1)(z+i)(z-i)} = \frac{f_a(z)}{z+1}+ \frac{f_b(z)}{z+i}+ \frac{f_c(z)}{z-i}
ただしf_a(z) = \frac{1}{2}f_b(z) = \frac{1}{2+2i}f_a(z) = \frac{1}{2-2i} (定数関数)
Cを{|z-i|=\frac{1}{2}}なる単一閉曲線とすると、
\int_C f(z)dz = 2\pi i \{ 0 + 0 + f_c(i) \} = \frac{i-1}{2}\pi (z=-1 と z=-iはCの内部にないので0)


例2
C:|z|=1

\int_C\frac{\sin z}{z-\frac{\pi}{4}}dz
特異点はCの内部にあるので、0にはならない。分子はf(z) = \sin zなので答えは
2\pi i \cdot f({\frac{\pi}{4}}) = 2\pi i \cdot \sin(\frac{\pi}{4}) = \sqrt2 \pi i