この世界の片隅に
よりミクで紹介されてた。正確にはマイミクさんの日記から辿ったのだが。
戦争ものは実ははだしのゲンも火垂るの墓も最後まで見たことがなかったのでちゃんと全部読んだのはこれが初めてかもしれない。
懐かしささえ感じるような日常と、その日常が輪郭を与える戦争の描写が秀逸。
見聞きした戦争ものは大抵こんな結論に導かれる。「戦争で死んだ人達はこんなにかわいそうでした。戦争は愛している人やものを奪います。世界の人はみんな等しく素晴らしいのだから、だれ一人、戦争なんかで死なせてはいけないね」。それに対しわたし達は「不謹慎」という言葉に縛られて質問もせず、空気を読んで「わたしたちは恵まれています。こんなことは二度とあってはならないと思いました」と決まった答えを不自由になぞらされる事になる。しかし、残念ながら、この結論の魅力をそっくりそのまま下の世代に伝え続けるほどには、わたしはこれを理解出来ていない気がする。
http://blog.heibonsha.co.jp/heibonclub/000156.html
戦争はよくないと言うだけなら60年以上も前の戦争を持ち出さずとも今も世界で戦争は起きてるし、命が大事だというだけなら原爆よりも死者が多い戦争もあるし、予定調和的に反戦作品を見て戦争はダメだという感想を持つのは思考停止と大して変わらないんじゃないだろうか。もし戦争が起きたらどうなるか、現代の戦地はどうなっているのか、戦争が起きたら自分の生活はどうなるのか。下手な戦争ものや反戦ものよりもリアルに考えさせられる。
漫画としては登場人物のリンクのさせかたがうまくできててよかった。
あとすずみたいな嫁がほしい。