アホの壁 読んだよ

アホの壁 (新潮新書)
「アホやっ。アホやっ。」

実は高校の大先輩に当たるのだが筒井康隆は読んだことがなかったりする。
全体的にニヤニヤしながら読み進められる本だった。404 Blog Not Foundで紹介されてた品格ネタも面白かった。アホの喧嘩についてもなるほどという感じ。


しかしいちばん目から鱗だったのはこれだな。

P.111
「ペンは剣より強し」と言ったのは、枢機卿リシュリューである。名言として、現代でも文筆業者、特に新聞記者などが、憎い相手に筆誅を与えたりする時に便利に引用している。しかし本当にペンつまり文筆の力は、剣より強いのだろうか。剣というのは今では権力の意味にも使われていて、新聞記者や雑誌記者などが政権の中枢にいる人物を攻撃しようとする際にもこの諺を使っている。
しかしこれは、とんでもない間違いであろう。リシュリューは「権力のもとではペンは剣より強い」と言ったのであり、それが間違えて伝えられているのだ。リシュリューは国家に反旗を翻し、反乱を企む輩に対して、いつでも逮捕状や死刑執行命令にペンでサインできるのだと脅したのである。