実在無限と可能無限

A このことは君によって考えられなくても正しいことに変わりは無い、とお考えですか。
B そうです、幾何学者が証明したり、人が注目しなくても、それは正しい。
A そうすると君の考えでは、真理と誤謬は事物のうちにあるので、思考のうちにはないんだね。
B もちろん。
A ところで、事物が何か誤りを犯しているということがあるのですか。
B いいえ、事物が誤っているなんてことはありません。事物についての思考或いは命題が、そのようになっているに過ぎないと思います。
A そうすると、誤謬というのはがんらい思考の誤謬のことであって、事物の誤謬ということではありませんね。
B それは、認めなくてはいけないことです。
A すると、やはり真理もそうだということになるのでは?
                ライプニッツ「対話―事物とことばとの結合」

円周率の桁は無限に続いていくけど結局のところ定まった値はあるんでしょうか?


円周率は循環小数ではなく桁は無限なので、データ列として文字コードのように見れば*1そのうち意味のある文字列が出てくるし、意味のある文章も出てくるし、無限に続くんだからその中には過去から未来に起こる全てのことが記されてるということになる。

円周率の値は計算せずともあらかじめ無限桁で定まってるけど、人間はそれを有限しか知りえないというのが実無限、完結した実体じゃなくて計算可能性が無限に存在しているというちょっと違った見方が可能無限というらしい。

これって物理学とか宇宙論とかの実在論と実証論と通じるものがある気がするなぁ。事象の地平面の向こうはどうなってるのかとか、物理定数がなんでその値になってるかというのを観測可能な限界*2を超えて理由を追求するのが実在論、事象の地平面の向こうとか宇宙の始まり以前はどうだとかいう議論はナンセンス、虚数時間の導入も計算の都合上導入したから虚数時間が何という質問もナンセンスというのが実証主義だとか。

だから何だと言われても困りますが(ぉ

ところで無限集合では全体は部分に等しいからある数だけ無限続くように見える部分とか、循環が無限に続くように見える部分とか、無限桁の循環が起こってるように見える部分も無限にあったりしそうだけどその辺はどんなもんなんだろう。

うーむ、神秘。

*1:2進数に変換すると分かりやすいかも

*2:ちょっと語弊がある気が