うさんくせー

(3/28追記)
直接このエントリに飛んできた人のためのまとめエントリ


「うつ」な人ほど強くなれる―『うつ』になりやすい性格こそ「成功する条件」
塚本先生に借りたが著者自身が経験した激しい鬱体験を元に…という割に一般論と俗説ばっかりで医学的・臨床的根拠の無いことがほとんど。スイーツ(笑)ブームに乗っかったスピリチュアルプチうつ本に近いような気がする。
本書では「うつ病になりやすい性格」という名目でメランコリー親和型とか執着性格みたいな性質が挙げられていたり、セルフチェックとして軽症うつの初期症状のような項目があってその辺はそんなに的外れでもないのだが、「抗うつ薬はとても効くので」とか「豪傑タイプの人はまず鬱にはなりません」とか、挙句に一番大事な薬は心のケアですとか的外れもいいところだ。
DSM-IVくらいならともかく大うつ病エピソードや軽症うつはおろか、脳の神経伝達異常にも抗うつ薬にも全く触れていないところを見ると著者が鬱を経験したというのはものすごく胡散臭い。
カウンセリングと鬱病治療を意図的に混同するにしてもアパシーか100歩譲って自己愛性神経症くらいにしといたほうが無難じゃなかろうか。まあ本買わせてBlogに誘導しようとする魂胆がなんだか見え見えな本だなぁと思った。
これくらいなら俺のほうがまだまともな本を書ける気がした(ぉ


いちおう著者のBlogなど晒してみる。
http://tuyokunareru.blogzine.jp/utu/
http://blogs.yahoo.co.jp/utunahitohodotuyokunareru


ちなみにこんな本を読むくらいならツレうつとか「軽症うつ」を治すとか軽症うつ病―「ゆううつ」の精神病理とかうつ病―まだ語られていない真実のどれか1冊でも読むほうがよっぽどためになると思われ。