燃料電池車が気になる

11年目の車検を控え、そろそろ車の買い替えも検討しないとなあと思いつつ、300万以下くらいでほしい車が全然無いのでどうしたもんかと思っていたところにトヨタとホンダが燃料電池車発売を発表したので気になっている。



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とはいえ発表価格は700万円。さすがにこの値段では買う気は起きないというか手が出ないが、補助金やらで安くなるのか?安全性や性能はどうなのか?気になったので色々調べてみた。

補助金でどこまで安くなるのか

究極のエコカーってくらいだから重量税、取得税は免税になるだろう。問題は本体価格。
水素社会を実現するための政策提言によると「1台あたり200万円台になりうる水準の政府補助」と書いてある。

正直これ読んで200万円台になるなら買えるやん!!と思ったのだが、ニュース記事を色々読んでみるとどこも「ユーザ負担額は500〜600万円」と書いてある。よくよく考えてみると、これは200万円くらいの補助金が出ると読むのか。うん、買えない。

しかし読み進めてみると、「2020年まで高速道路無料」「2017年まで水素無料」となっている。俺の場合、年間1万kmくらい走って年間ガソリン代が20万弱、高速は帰省+αくらいしか使わんけど年間2〜3万くらいってとこか。無料ならちょっとの距離でも乗るようになるからさらに活用できそうだ。仮に15年に買った場合、これでトータルで50万以上は得な計算になりそうだ。


燃費やら水素の値段次第でも変わってきそうだが、購入時の負担額こそ500万オーバーだが、補助金を考えるとあと100万円分くらいは浮きそうな気はする。

気になるスペックは

詳細なスペックは調べても全然出てこない。トヨタのスタックが100kW以上、ホンダもFCXクラリティの100kWよりは高いと書いてあるから130〜150馬力くらいだろうか?130というと数字だけ見るとカローラと同じくらいだがどうなんだろう。電動だから加速感とかはいいのだろうか。

航続距離は500kmとか700kmとか書いてある。実質は300〜500kmくらいだろうか。それほど遠出することも無いのでこれくらい走れば十分な気はするが、水素ステーションが全然無かったりすると困りそうだ。まあトヨタのお膝元の愛知には結構できるみたいだし、実家のある大阪にも北大阪水素ステーションができるらしいのでこれも俺の行動範囲に限れば問題はなさそうだ。
ところで燃料電池車の場合燃費ってどうなるんだ?1リットルといっても圧力や温度で変わるだろうし、航続距離での概念になるんだろうか?それとも質量?圧力?


デザインはトヨタのは圧倒的にダサい。トヨタ車と比べるとまあ頑張ってる気もするが、値段が値段だけにレクサスくらいのデザインにはならなかったのだろうか。ホンダはコンセプトのようだがこちらはかっこいい。トヨタのデザインがモーターショーのコンセプトからぱっと見あんまり変わってない(ミラーの有無は変わってるが)ところを見ると、ホンダはコレに近いデザインで出してくるんだろうか。未来的である。

水素の安全性は

もひとつ気になるのが安全性。水素タンクを積んでるので漏れたり事故ったりした時怖い気はするが、この辺りを見ると水素は拡散するのが早いので、むしろ垂れて引火すると怖いのはガソリンのような気もする。
水素の安全性 | R水素ネットワーク
水素のはなし第5回 - 水素・燃料電池実証プロジェクト -JHFC
よく考えたら天然ガス自動車も走ってるし、タンクローリーみたいなののほうがよっぽど怖いな。

そんでエコなのか

色々調べていて目につくのが水素は危ないというのと、言うほどエコじゃないという意見。
まあ大体が高校レベルの科学知識が無いとか利権だの陰謀論と絡めてるあたりでお察しなのだが2点ほど。

  • 空気中の酸素を取り込むなんてエコじゃない!

小学校からやり直すといいんじゃないでしょうか。ガソリン車にエアインテークが付いてる理由とかガソリンの燃焼に必要な元素とかから勉強し直すことをおすすめします。

  • 電気で走るなら水素より最初から電池の方が効率ええやん!

これは確かにそんな気はする。ただこの辺りを見ると、電気自動車と燃料電池車のWell to wheel効率はそれほど大きく変わらないようにも見える。
電気自動車の開発と自動車の環境効率評価|環境儀 No.11|国立環境研究所
さらにもう少し調べてみると、いくつかパターンがあるようだ。

  1. 火力発電所などで作った電気で水を電気分解して水素を作る
  2. 風力発電などで作った電気で水を電気分解して水素を作る
  3. 石油精製などで副産物として出てくる水素を使う

1.の場合は普通に考えて無駄だし効率も悪いわな。だいたいの批判はこの使い方に対して言われてるようだ。ただ電気自動車の場合は電池を積めば積むほど重くなって逆にエコじゃなくなるというジレンマもあるらしい。
3.はまあ発電とは競合せずに水素を使えるので有効利用にはなりそうだ。
注目すべきは2の使い方。クリーンエネルギーで発電して余った電気をどうするかということなのだが、電池による蓄電だと容量あたりのコストがばかでかくなってしまうため現実的ではないようだ。そして水素のエネルギー密度は非常に高いので、水素に変えれば保存や輸送がしやすくなるらしい。電池の製造から考えると、水素圧縮の効率を考慮してもWell to wheel(これもWellなのか?)の効率は電池より高くなるようだ。
「リチウムイオン二次電池」と「炭化水素」や「水素」とのエネルギー密度の比較 - クリーンテックコンサルタントのあたふた日記
逆をいえば電池のコストとエネルギー密度が飛躍的に伸びると燃料電池よりも電気自動車ということになるな。


EVにしたって結局発電所で電気を作ってるわけだからエコじゃない!とかいう人もいるがこれも論外。当然大規模な施設の方が発電効率は高いし、送電や電力変換のロスも少ない。町中で排ガスが出ないだけでもずいぶんなメリットだろうに。同じ理屈で言えば各家庭に発電機があっても発電所でいっぺんに発電してても同じじゃないかと言うようなレベルである。

で買うかというと

500万は手が出ないので買わない。もし800万あったらこれよりテスラ モデルS買うわ…デザインから何から圧倒的すぎる。