ドライヤーの温度と風量について

実家を出るときにドライヤーを持ってきてからはや5年。
最近内部に熱がこもりやすくなったせいか、使ってる最中にサーモスタットが作動して温度が下がるようになってしまったので、ちょうど貯まっていたスギポイントでEH-NE55というのをゲット。

パナソニック ヘアードライヤー イオニティ ピンク調 EH-NE55-P

いつも思ってたのだが、ドライヤーを使うときはターボばかりで、ドライやクールは全然使わないので果たしてどれくらい違うのか考えてみた。


ドライの方が風の温度が高い分、同じ風量あたりの持ち去る水蒸気量は多くなる。一方ターボは風量が多い分同じ温度でも持ち去る水蒸気量は多くなる。

飽和水蒸気圧はTetensの近似式から e(T) = 6.1078\times10^{\frac{7.5T}{T+237.3}} [hPa]と表されるので、ドライヤーの風圧を無視して大気圧とすると風量1m^3/minあたりの飽和水蒸気量[L]は 1000[L] * e(T)[hPa] / 1013[hPa] で表される。

これを22.4Lで割って分子量18を掛けると1分間に持ち去られる水分量[g]が求めた結果がこちら。


…今回のドライヤーのターボのスペックである1.8m^3/min、80℃だと1分間に678gも水分を運搬できる計算になる。さすがに全然違うぞ。
実際には風の出口から髪に届くまでに温度は下がるし、髪に届いたところで髪と熱交換してさらに温度が下がるし、そもそもすべての風量が髪に当たるわけでもないし、当たった風がすべて飽和水蒸気圧まで水分を持ち去ることもないのでこれだけ乖離するようだ。
この辺を見ても、吹き出し口から10cmで140℃から100℃まで下がっている。
花王株式会社 ヘアケアサイト 髪と地肌の上手なお手入れ方法 ドライヤー乾燥


以上を前提として以下の仮定を置く。

  • 髪に届くまでにドライの温風が100℃から70℃まで下がり、ターボの温風が80℃から60℃まで下がる
  • 風量の30%が髪から水分を奪う
  • 温風は髪から水分を奪うと湿度60%になる

すると、髪から奪われる水分は低下後の温度における全風量のポテンシャルの18%となるから以下のようになる。

60℃、1.8m^3で約50gとなっている。これでもまだずいぶん実際よりも多い印象だ。実際はもっと効率が悪いんだろうが、この試算は相対比較できるのでとりあえずスルー。
ドライが70℃だとすると風量1.2m^3くらいでターボよりも乾く計算になる。体感的にターボとドライの風量の割合はなんともいえないが、2/3くらいだとするとそれほど的外れでもないような気はする。
明日髪を乾かすときはドライで試してみようかしら。